フランチャイズ加盟店募集の進め方|募集経路・費用・加盟までの導線と指標

〜こんな人におすすめ〜

  • 募集媒体に掲載しているが、資料請求が伸びない本部の加盟開発担当の方
  • 資料請求は来るものの、面談や加盟に進む人が少ないと感じている方
  • Web広告や自社サイトでの募集を増やすべきか迷っている方

フランチャイズ(以下FC)本部の加盟店募集は、どの経路を使うかよりも、資料請求から加盟までをどう運ぶかで結果が分かれます。

この記事では、募集方法と費用の全体像を押さえたうえで、加盟が決まるまでの5段階と、各段階で見るべき指標を整理します。

FC加盟店募集とは:本部が担う範囲と集める相手

加盟店募集の全体像。集める相手(個人・法人)、本部が担う範囲、募集前に決める3つのこと

加盟店募集は、本部のパッケージを買ってくれる事業パートナーを探す活動です。

求人や商品販売と違い、候補者は業態によっては数千万円規模になる投資を伴う判断をします。

そのため、問い合わせを集めて終わりではなく、候補者が納得して契約するまでの数か月を本部が設計する必要があります。

集める相手は「加盟候補者」

本部が集める相手は、大きく2つに分かれます。

1つは、脱サラや独立を考えている個人です。もう1つは、新規事業や業態転換を検討している法人です。

個人は「自分にできるか」「生活費を確保できるか」を重く見ます。法人が重く見るのは「既存事業との相乗効果」や「投資回収の期間」です。

検討の軸が異なるため、同じ募集ページで両方に響かせようとすると、どちらにも刺さらない文章になりがちです。

本部側から見れば「オーナー募集」も「加盟店募集」も同じ活動です。まずは自社の店舗を任せたい相手が個人と法人のどちらなのかを決め、募集ページの言葉をその相手に合わせます。

本部が担う範囲

加盟店募集で本部が担う範囲は、募集から開業までです。

具体的には、募集の告知、資料送付、説明会や個別面談、加盟審査、契約前の重要事項の説明、契約、開業準備の支援までが含まれます。

このうち外部に任せやすいのは、告知と資料請求の獲得、資料請求後の連絡の仕組みづくりまでです。

説明会以降の工程は本部にしか担えないため、募集の成果は最終的に本部の運び方で決まります。

募集を始める前に決めておくこと

募集の手段を選ぶ前に、決めておきたいことが3つあります。

1つ目は加盟条件です。加盟金やロイヤリティ、必要な自己資金の目安、出店できるエリアが定まっていないと、募集ページにも面談にも一貫した説明ができません。

2つ目は、求めるオーナー像です。オーナー自身が店舗に立つのか、人を雇って経営に専念するのかで、集めるべき候補者は変わります。

3つ目は、収益モデルの根拠です。既存店の実績のうち、どの店舗のどの数字をもとに収益を示すのかを、募集前に整理しておきます。

加盟店募集の方法は4つ:経路ごとの費用と向き不向き

加盟店募集の方法は、大きく4つに分けられます。

募集媒体への掲載、自社サイト、Web広告、紹介・展示会です。

それぞれ費用のかかり方と、集まる候補者の傾向が違います。ここでは選ぶときの全体像を示します。

下の表は、4つの経路を費用のかかり方と向き不向きで並べたものです。

経路費用のかかり方向いている場面注意点
募集媒体への掲載月額固定、資料請求ごとの課金、成果報酬など媒体により異なる加盟を検討中の人に、短期間で広く知ってもらいたい他本部と並んで比較されるため、条件面で選ばれやすい
自社サイト(加盟募集ページ)制作費が中心。公開後の費用は小さい理念や収益モデルを詳しく伝えたい単独では人が集まらないため、他の経路と組み合わせる
Web広告(Meta広告・検索広告など)広告費は自社で上限を決められる。運用を外注する場合は手数料がかかる加盟を検討し始める前の層にも届けたい広告と受け皿のページの設計次第で、問い合わせの質が大きく変わる
紹介・展示会紹介は謝礼程度。展示会は出展料と人件費がかかる既存オーナーの満足度が高い/対面で熱量を伝えたい件数が読みにくく、安定した母数にはなりにくい

募集媒体の料金体系は媒体ごとに異なり、多くは個別の見積もりです。

展示会は、たとえば日本経済新聞社が主催する「フランチャイズ・ショー2027」の出展案内では、1小間の出展料が税込52.8万円(通常料金)とされています。

Web広告は、月に使う上限を本部が決められる点がほかの経路と違います。Meta広告(Facebook・Instagram)の運用を代理店に任せる場合、手数料は広告費の20%前後に設定されていることが多いです。

手数料の決め方は代理店によって異なり、広告費に対する料率のほか、月額固定の形をとる会社もあります。

費用を比べるときは、資料請求1件あたりの金額ではなく、加盟1件あたりにいくらかかったかで比べるのが基本です。この考え方は後半の「見るべき指標」の章で詳しく扱います。

どの経路を選ぶかと同時に、募集の運用を自社で抱えるか、外部に任せるかも、費用と成果を左右します。

どの経路でも共通する、加盟が決まるまでの5段階

加盟が決まるまでの流れは、経路が違っても大きくは変わりません。

広告や掲載で知ってもらい、ページで理解してもらい、資料請求をきっかけに関係をつくり、面談で決断してもらう流れです。

この流れを5つの段階に分けると、どこで候補者が離れているのかを数字で追えるようになります。

下の表は、5つの段階ごとに候補者の状態と本部が用意するものを並べたものです。

段階候補者の状態本部が用意するもの
1. 広告・掲載事業の存在を知る募集媒体の掲載文、広告のクリエイティブ
2. LP(加盟募集ページ)事業の中身と収益性を理解する事業モデル、収益の考え方、支援体制、実績、理念を伝えるページ
3. 資料請求詳しく知りたいと意思表示する申し込みフォーム、送付する資料
4. LINE・メール検討を深め、不安を解消する事例、オーナーの声、説明会の案内、リマインド
5. 説明会・個別面談加盟するかを決めるオンライン説明会、個別面談、契約前の重要事項の説明

多くの本部は1と3には力を入れますが、2と4は手薄になりがちです。

ところが、資料請求から面談に進むかどうかは、2で何を理解し、4で何を受け取ったかに左右されます。

説明会や面談をオンラインで行う本部もあり、遠方の候補者とも早い段階で話せるようになりました。その分、Web上の情報だけで「この本部の話を聞きたい」と思ってもらえるかどうかが重くなっています。

各段階で候補者の熱量を保つために気を付けること

5段階それぞれで候補者の熱量を保つために気を付けること

5段階のどこかで、候補者の熱量が下がる場面は必ずあります。

大切なのは、段階ごとに気を付ける点が違うと知っておくことです。段階に合った手を打てば、件数だけでなく、熱量の高い資料請求を増やせます。

ここでは段階ごとに、熱量を保つために気を付けたいことと、その理由を整理します。共通する考え方は、誰に反応してほしいかと同時に、誰には反応してほしくないかまで設計することです。

広告・掲載:条件を先に示し、合う人に手を挙げてもらう

「未経験でも安心」「低資金で開業」といった誰にでも響く言葉は、反応を集めやすい反面、本部が求める人物像と合わない候補者も呼び込みます。

その結果、資料請求は増えても、面談に進む人の割合は下がります。

気を付けたいのは、条件を先に示すことです。たとえば「未経験でも安心」ではなく「自己資金300万円以上で、開業後1年は店舗に立てる方」のように、必要な自己資金の目安や関わり方、出店できるエリアを掲載文の段階で伝えます。

合わない人には反応してもらわなくてよい、と割り切ることが大切です。反応する人は減りますが、残った人は条件を理解したうえで手を挙げているため、後工程の歩留まりが上がります。

LP:判断に必要な情報をそろえる

加盟を考える人が知りたいのは、収益の見込み、本部の支援内容、既存オーナーの実態、そして本部がどんな考えで事業をしているかです。

これらがページにそろっていれば、候補者は事業を理解したうえで資料を請求するため、熱量の高い状態で次の段階に進みます。情報が省かれていると、「資料を取り寄せないと分からない」まま申し込むことになり、熱量が低いまま資料請求が入ります。

そのため、事業モデル、収益性、加盟のメリット、実績、サポート体制、理念を順に伝えます。ページが長くなっても、判断に必要な情報は省きません。

収益の見込みを載せる場合は、根拠を添えることが欠かせません。

公正取引委員会のガイドラインは、予想売上や予想収益を示す際、類似した環境にある既存店の実績など根拠のある事実と合理的な算定方法に基づき、その根拠を加盟希望者に示す必要があるとしています。

モデル収益を示すなら、それが厳密な予想ではないことと、前提条件を一緒に書いておくと、候補者の信頼にもつながります。

資料請求:面談の判断に必要な項目に絞って聞く

申し込みフォームは、項目の数のバランスが大切です。

項目が多いと関心のある人まで途中でやめてしまい、名前とメールアドレスだけでは、本部が候補者の状況を把握できないまま追客することになります。

聞く項目は、面談の判断に必要なものに絞ります。たとえば、希望エリア、自己資金の目安、開業を考えている時期などです。

この情報があれば、資料送付後の連絡に優先順位をつけられます。

LINE・メール:資料送付後の連絡を前もって組み立てる

募集媒体では複数の本部の資料をまとめて請求できるため、候補者の手元には同じ時期に何社分もの資料が届きます。

この時期に本部から継続して情報が届くと、候補者の記憶に残り、比較の中で優先して検討してもらいやすくなります。

そのために、資料送付後の連絡を事前に組み立てておきます。

たとえば、請求当日に資料とLINE登録の案内、翌日にオーナーの事例、3日後に収益モデルの解説、1週間後に説明会の案内、と順番を決めておくと、担当者が忙しい時期にも連絡が途切れません。

LINEを使うと、候補者が気軽に質問しやすく、説明会の予約やリマインドまで同じ流れで案内できます。

なお、説明会の案内など広告・宣伝にあたるメールを送る場合は、特定電子メール法により原則として受信者の事前同意が必要です。資料請求フォームに配信への同意欄を設けておきます。

説明会・個別面談:判断材料を出し切る

説明会まで来た候補者は、最後に「本当に自分にできるか」「お金は回るか」を確かめに来ています。

事業の魅力だけでなく、収益の前提や、うまくいかなかった店舗の要因まで説明すると、候補者は納得したうえで決断できます。判断材料が足りないまま持ち帰ると、そのまま連絡が途絶えやすくなります。

商品の供給を伴う小売業・飲食業の本部には、中小小売商業振興法により、契約前に加盟金や契約期間などを記載した書面を交付して説明する義務があります。

サービス業など同法の対象外の本部についても、公正取引委員会のガイドラインは重要事項を十分に開示することが望ましいとしています。開示を手続きとしてこなすのではなく、候補者の不安に答える材料として使うと、加盟後のトラブルを防ぎやすくなります。

見るべき指標は資料請求数ではなく面談化率と加盟率

面談化率と加盟率の数え方。資料請求した月を起点に追い、率は3か月程度の合計で見る

加盟店募集の成果は、資料請求の件数で語られることがよくあります。

しかし、本部の売上につながるのは加盟であり、資料請求はその途中の一段階にすぎません。

資料請求数だけを追うと、前の章で見たように、条件の合わない候補者を増やす打ち手が選ばれやすくなります。

段階ごとに追う指標

5段階の流れに沿って、次の指標を毎月記録します。

段階指標悪いときに疑う場所
1〜3. 広告・掲載、LP、資料請求資料請求数、資料請求1件あたりの費用広告・掲載文の訴求、LPの情報量
4. LINE・メールLINE登録率、説明会の予約率資料送付後の連絡の内容と頻度
5. 説明会・個別面談面談化率(資料請求のうち面談に進んだ割合)集めている候補者の条件、LPと連絡の内容
5. 説明会・個別面談加盟率(面談のうち加盟契約に至った割合)面談で出す判断材料、パッケージの条件
全体加盟1件あたりの獲得費用経路ごとの費用配分

表の右端の列は、数字が悪いときにまず確かめる場所です。

面談化率が低いなら、広告の配信量を増やすより前に、LPと資料請求後の連絡を見直すほうが近道です。

数え方で判断を誤らないために

面談化率と加盟率は、その月の面談数をその月の資料請求数で割るのではなく、資料請求した月ごとに、その後何人が面談・加盟に進んだかで数えます。

検討に数か月かかるため、同じ月の数字どうしで割ると、分母と分子が別の候補者になってしまうからです。

加盟は月に数件のことが多く、月単位の率は大きくぶれます。率は3か月程度の合計で見て、月ごとの件数の推移を確認すると判断を誤りにくくなります。

なお、面談化率や加盟率の業界共通の基準値は、公的な統計としては公表されていません。他社の目安と比べるより、自社の数字を経路ごと、時期ごとに比べるほうが改善につながります。

加盟1件あたりで経路を比べる

経路の良し悪しは、加盟1件あたりの獲得費用で比べます。

たとえば次のような2つの経路があったとします。数字は説明のための仮の例です。

項目経路A経路B
3か月の費用150万円150万円
資料請求数150件60件
面談数(面談化率)15件(10%)24件(40%)
加盟数(加盟率)1件(約7%)3件(12.5%)
加盟1件あたりの獲得費用150万円50万円

資料請求1件あたりで見ると、経路Aは1万円、経路Bは2.5万円で、Aのほうが効率よく見えます。

ところが加盟1件あたりで比べると、Bは3分の1の費用で済んでいます。資料請求の単価だけで判断すると、成果の出ている経路を止めてしまうことがあるわけです。

この比較をするには、資料請求した人がどの経路から来たのかを、面談・加盟まで追える状態にしておく必要があります。募集媒体ごと、広告ごとに流入元を記録し、面談と加盟の結果を同じ表に残すだけでも十分です。

加盟店募集がうまくいかないときの切り分け

加盟が増えないときは、5段階のどこで候補者が止まっているのかを先に確かめます。

止まっている場所を特定しないまま手を打つと、効果の薄い対策に費用をかけることになります。

ここでは、症状ごとに疑う場所を整理します。

  • 資料請求そのものが少ない:広告・掲載の露出不足か、LPが判断材料を伝えきれていない
  • 資料請求はあるが面談に進まない:集めている候補者の条件が合っていないか、資料送付後の連絡が途切れている
  • 面談はあるが加盟に至らない:説明会・面談で判断材料を出し切れていないか、パッケージの条件が市場と合っていない
  • 加盟はするが早期に解約が出る:募集段階で伝えた内容と、加盟後の実態にずれがある

最後の項目は募集とは関係がないように見えますが、募集ページや面談で示した収益の前提を実際の店舗の数字と照らし合わせると、原因がつかめることがあります。

本部の収益モデルや加盟条件そのものに原因がある場合は、募集の工夫だけでは解決しません。その場合は、パッケージの見直しから着手します。

加盟店募集の導線設計はDXマーケティングにご相談ください

ここまで見てきたとおり、どの経路で集めても、加盟までの5段階を誰かが設計する必要があります。

広告、LP、資料請求後の連絡、説明会の運び方は、別々に直すよりも、ひとつの流れとして組み立てたほうが、どこで候補者が離れているのかを特定しやすくなります。

DXマーケティングは、FC本部の加盟店募集について、訴求軸の設計からMeta広告のクリエイティブ制作と運用、加盟募集ページの制作、LINEを使った資料請求後の導線づくり、アクセス解析による改善までを一貫して支援しています。

評価は資料請求数だけでなく、面談化率や加盟の状況まで見て行います。

たとえば専門エステサロンFCの本部では、広告費80万円で6件の加盟につながり、問い合わせ後の商談率が70%を超えた月もありました。

募集媒体に掲載しても問い合わせが来ない状態だった北米アマゾンEC出店支援FCの本部では、広告費50万円で74件の問い合わせにつながっています(いずれも個別の事例で、成果を保証するものではありません)。

今の募集のどこで候補者が離れているかを確かめたい場合は、無料相談で現状をお聞かせください。

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この記事を書いた人

静岡県出身。幼少期から釣りを唯一の趣味として育ちました。東北大学大学院を卒業後、業界最大手のインフラ企業に入社し、企画やマーケティングを担当。業績が評価され、部内で最も優秀な成績を収めた社員に贈られる「部長賞」を受賞しました。

独立後、大手企業で培った集客ノウハウを中小企業や個人事業主さま向けに提供。さらに2024年7月には、株式会社DX-マーケティングを設立し、事業拡大に向けてさらなる挑戦を続けています。